苦難の受け止め方

「苦難に会った時に、それを災難と思って嘆くか、試練だと思って奮い立つか、その受け止め方が大事ではないでしょうか。」

「しかし、正しい者に災いがあるのは、どうしてもわかんねえなあ」修平がうめくように言った。と、拓一が言った。

「叔父さん、わかってもわかんなくてもさ、母さんの言うように、試練だと受け止めて立ち上がった時にね、苦難の意味が分かるんじゃないだろうか。俺はそんな気がするよ」(三浦綾子作 『続泥流地帯』より)

 大正15年に起きた十勝岳大噴火を題材にした三浦綾子さんの『泥流地帯』には、大自然の脅威に翻弄されながらも、前向きに生きていこうとする人々の姿が感動的に描かれています。人生は冒険であり、スリリングな旅です。その道程で、苦難は避けられません。しかし、その苦難を通して人は成長し、魂が向上します。それが、生きる意味でもあるのです。

  <十勝岳>

2020年09月28日